書きたいことを書きたいだけ

漫画や手芸が好きな独身女の趣味記録。

ライチ☆光クラブ

絶対自分好みの話だと予想しながら、今まで読めずにいた『ライチ☆光クラブ』を読了しました。

敬遠していた理由が、果物のライチが苦手だからという馬鹿馬鹿しいものでしたが、そういうのってありませんか。
逆にイチゴ好きの人だったら「ストロベリー○○」とかいうカラーのコスメとか選んじゃったりしませんか。
私はイチゴも駄目なのですけど。

さてこちらの作品はグロテスクなシーンを含んでおり、人によっては不快感を覚えるかもしれませんので注意。ネタバレはそんなにしてないつもりです。

『ライチ☆光クラブ』という漫画は、ウィキペディアによると

少年達の幼さ故の狂気と愚かしさ、彼等に作られた機械(マシン)と少女に芽生える恋を描いた物語。本編と外伝と共通して、独裁者になることを望んでいた少年と彼を取り巻く仲間達のグランギニョルである。 

 だそうです。
ついでにあらすじ

螢光町の片隅にある少年達の秘密基地「光クラブ」。そこには帝王として君臨するゼラを筆頭とする9人の少年が集い、ある崇高な目的のために「機械」を作っていた。やがて完成した「機械」は「ライチ」と名付けられ、「美しいもの」を連れて来るよう命令されるが、ライチは「美しいもの」が何なのか理解できず、違うものばかりを集めてくる。そんなある日、特殊な設定を施されたライチはようやく「美しいもの」が何なのか理解できるようになり、1人の美しい少女「カノン」と数人の少女を光クラブに連れて来た。光クラブの面々はカノンを玉座に据えて女神として崇め、次の目的へ進もうとする。しかしある時、メンバーのタミヤとダフがカノン以外の少女達を密かに逃がそうとしていたことが発覚し、 タミヤは粛清として自分の手でダフを処刑することになってしまう。更にゼラと親密な仲にあった少年・ジャイボが仕掛けた罠によってゼラは疑心暗鬼に陥り、光クラブの少年達の結束は徐々に崩壊し始める。

読む前はこのあらすじを見てもピンとこなかったのですが、本編読んだ後だとまんま上記のとおりです。
でも漫画で読む方が圧倒的に面白いです。

少年たちの心の機微というよりもっと直接的な衝突で、想像していたのよりわかりやすいお話でした。
崇高な目的とか言うから、なんかこう、めんどくさい正義論とかもっと煙に巻かれるような感じかと思いきやですよ。
思春期の男子校生徒が同年代女子を見て「すげぇ…生の女の子だ…」と鼻を膨らませるお話でした。嘘は言ってない。(もちろんそれだけの話じゃありません)

結構あっさりと人が死にます。
ただの殺人描写ならともかく、数話のうちに愛着が沸きつつあるキャラクターが死んでいくさまは虚しい。
終盤はうっかり泣きそうになりました。
血が吹き出たり内臓飛び出たりしてグロいはずのに、そんなにグロく感じないところがすごい。まさにグランギニョル的です。
数時間で一気に読んでしまいました。

この物語、原作が舞台作品というのが驚きです。
実写再現難しそうな内容なのに、もともと実写。
どのくらい忠実なのかは、元の舞台を見ていないのでわかりません。

2012年くらいに、再度舞台化されています(その後2013年に再演)。
テニミュでお馴染みネルケプランニング主催で、テニミュ出身だったりそうじゃなかったりする若手俳優が出演しています。
中尾明慶さんなどはテレビでも有名ですね。

 

私はこの舞台見ていないのですが、かなりのギャグテイストに改変されていて原作とはかけ離れている、らしいです。血糊演出がものすごくて毎回片づけ大変そうだ、とかいう感想も聞いた気がする。
これねソフトにしなきゃと考えられた結果、どの方向にも特化しない作品になっちゃったんじゃないかと思います。

漫画ライチがそもそも一般向きじゃない(人を選ぶ)でしょうから、普段テニミュやらを見ている方々にはショッキングなストーリーかもしれない。
かといって、原作ファンだけどあまりこの手の舞台を見ない方々にとっては、他作品ネタや2.5次元舞台のギャグノリを受け入れがたいかもしれない。
それじゃどっちつかず、じゃないかなぁ。せっかく舞台作品→漫画化→再舞台化というすばらしい流れなのにもったいなかったのではなかろうか。
「舞台化するとどうなるんだろう……!」と心躍らせていた原作ファンの気持ちを想像すると少し胸が痛みます。忠実に再現していたら相当な話題作になったはずなのに。
見てないのに言うなって話です。

見てないけれど。
ジャイボ役の玉城裕規くんはきっとピッタリだと思う。
だって玉城くん顔がとても耽美的なんだもん。
本当、絵に描いたようなお目々してますから。
それを確認するだけのためでも、いつかはDVDを買いたいと思っている作品です。

外伝である『ぼくらの☆ひかりクラブ』も近いうちに読んでみようかな。